【編み物】毛糸サイズや毛糸ラベルについてどれくらい知ってますか?【かぎ針編み】【棒針編み】
皆さま、スザンナです。
年末から年始にかけて、毛糸のラベルについて調べまくりましたので、その結果報告です。
なにかひとつのことが気になると夢中になって調べ尽くさなければ気が済まない性格の私。
今回、今までなんとなく理解しているつもりになってた毛糸サイズや毛糸ラベルについて、じっくり見比べていたら、分かってきたことがたくさんありましたので、4本の動画にまとめました。
きっかけは、ある質問からでした。
「似たようなサイズの糸はなにがありますか?」
というなんてことのない質問、
この質問に答えようとした時に、曲者と呼べそうなほど回答しにくいことが分かったんです。
どうしてでしょうか?
実は、毛糸は各メーカーによって名前が付けられています。そして、中には名前でどの毛糸か分かるほど人気の毛糸もありますよね。エコアンダリヤ、とか、グラデーションウール、とか。
他の方の動画タイトルを見ていても、〇〇で編む、など毛糸名でご紹介されていることも多いように感じます。
そして、その作品が素敵だから編んでみようと思ったら、その同じ毛糸を買うことも多いのではないでしょうか?
同じサイズに作りたい、同じ質感や色で作りたい、と思ったら、やっぱり同じ糸を買いますよね?
そのなんとなく気に入って買っている毛糸が、どのグループに属していて、なんの毛糸と同じサイズかご存知ですか?
実は、名前というのは、本当に名前なんです。
私たちに名前がそれぞれあるように、毛糸にもそれぞれ名前があります。
もう、それは無限です。
名称でこれとあれとそれとあっちと、って全部ご紹介などできませんし、ましてやお店で数量限定で並ぶ毛糸まで含めましたら、いくら毛糸博士でも覚えきるのは無理ではないでしょうか。
だから、そのなんてことの無いように見える質問は、大変曲者だと思ってしまった理由もご理解いただけると思います。
うーん、なんて答えてあげたらいいかしら?
お店が指定されていたし、商品名で教えて欲しいって買いてあったけど、そのお店はネットで商品を売ってないし、商品詳細も公開してないから、お店まで行って見てメモしてこなきゃならないかしら?
そう、ただひとつの質問にその質問者が欲しがるそのままの答えを教えるのは、結構手間暇かかるんです。
もし、そんな質問が何個も何個も来たらあなたならどうしますか?
もう、自分で勝手に調べてください、って匙を投げるでしょうか?
それではあまりに失礼ですよね。
その人は、それが難しい質問だなんて知らないのですし、私も答えてくれる人がいるなら、そう質問したいです。
もっと簡単に見分ける方法や調べる方法はないのかしら?
って思われたでしょう?
てことで、やってみることにしたのです。
例えば、私たち人間は、名前以外にも、人間という言葉以外にもグループ分け出来ますよね?
国籍
性別
年齢層
体型
嗜好
などなど
それらはリンクしている時もあれば、リンクしていない時もありますよね。
たとえば、同じ国籍、性別、年齢層が好む嗜好品があったり、体型の特徴もあるように、性別、年齢層、体型が同じでも国籍が異なれば嗜好も異なる、などなど。
具体的には、グラマラスだと思われる国もあれば、肥満だと思われる国もあるように。露出を気にしない国もあれば全身を隠す国もあるように。
毛糸も同じじゃありません?
国によってさまざまなメーカーがあり、さまざまな名前の糸があります。
それぞれの国で決められた基準によるサイズ表記もありますよね。
ということで、まずは、闇雲ではありましたが、手当たり次第に見ていくことで、なんとなく共通点を探してみようと思ったのが、1本目の動画です。
そう、私ってあんまりネットで答えを探さないタイプなんです。自分の勘を頼りにしてるんです。
だから、もしかしたら誰かが分かりやすく近道で分類してくれてるかもしれないけど、私は遠回りしても自分の地図で自分の足で辿り着きたいタイプなんです。
そんなことは時間の無駄っておっしゃる人もいらっしゃるかもしれませんね。
私も自分が仕事と思っていること以外は、近道します。
それは、時間の無駄だから。
でも、クリエイターや研究家の方々は、誰かの研究結果の丸覚えはどこまで行っても自分のものではありませんから、みなさん自分の足を大切になさるのではないかしら?
なんて、そう思っております。
前にも、どうやって研究してるんですか?って質問が来たことがありましたが、実はこうやって研究しております。すごく楽しくて時間など忘れてしまいます。
ということでまずは一本目の動画です。
いかがでしたか?
地道でしょ?
なんてことないでしょ?
毛糸を巻く向きや使う向きについて、ご存知でしたか?
どうして使っているとねじれてくるのかしら?って思いませんでした?
そういうちょっとしたことも、疑問に思わない限りは、気づいているのに、他のことに気づくと、前のことはすぐに忘れてしまって、答えまで求めようとは思わないのが常々です。
でも、サイズに関しては、あんまり有効な答えは出ませんでしたね。
だけど、理解は深まりました。
続いて、なんとなく日本の表記について理解したような気持ちになったので、日本の編み物本ではどのように書いてあるのか気になって、見てみることにしました。
ついでに、海外パターンで編むことも多いので、海外パターンと比較してみよう、と思ったのです。
編み物本は毛糸メーカーとのコラボが多く、たいていの本は毛糸を指定しています。また、海外の無料パターンは毛糸会社が提供してくれていることが多いので、そこの会社の毛糸の売り出しに合わせてデザインされることが多いようです。
ところが。
編み物本でその糸の情報を辿るために広告に目をやると、何故か詳しいことがあまり書いてないことに気付いたのです。
グラムは書いてあるけど、品質表示や長さが記載されていない、とか。
毛糸のサイズに至っては、一部の会社を除いて全く書いてありませんでした。
これらは海外パターンに慣れた私には意外でした。
と言いますのも、アメリカ圏は基本的に大変オープンです。
製品に自信があるのか、人は本来善意であるから悪用しないとのキリスト教的信念によるのか、はたまた市民の意見や要望が通りやすい土壌のおかげで法律により記載が義務化されたためか、理由は分かりません。
でも、私が知りたい情報は最初から探さなくても提供されます。
つまり、全ての方に平等に公開されています。
でも、日本はどうも違うようです。
日本の仕組みでは、その毛糸が廃盤になった場合、もう一度違う毛糸で編もうとしてもなかなか難しそうです。
なぜって?
だって、情報が現物のラベルにしか残らないから。
それを買ったことのある人なら分かるかもしれませんけど、買ったこともない、見たこともない古い糸だとお手上げですよね。
そこで、サンプルに選んだ編み物本に目をやると、その本は初心者向けなのか記載が丁寧でした。
とても助かりました。
20年前の本ですけど、おかげで今でもじゅうぶん使えます。しかも、今人気のY2Kファッション。
学生時代人気だったグランジがまたブームになってますね。Y2Kよりふるいんだけど、ま、いっか。
グランジは、ちょっとボロボロになったオーバーサイズの服をダラっと汚れたように着こなすのがオシャレでした。
服がキレイめではないので、中の自分を磨かないとただの汚い人になってしまうので、難しいファッションだと思います。
この頃人気だったのがジャミロクワイ。
今でも大好き。声が綺麗で世界観も好きです。
さて、話を戻しまして。
この本は、うれしいことに、糸のサイズ表記も書いてくださってました。
これはとても珍しいと思います。
普通は、毛糸名、使用した針サイズと重量、ゲージの数値のみです。一番肝心の長さであったり、糸サイズは書いてないと思います。
変な物の見方かもしれませんが、経済的な側面から見ますと、資本主義社会である島国の日本では、毛糸を売るため、本を売るためには情報の出し惜しみは仕方がないことなのだと思いました。
さて、これは、インターネットが発達する前のお話です。
今は、インターネットで何でも調べることができるようになりましたから、調べた人にはご褒美として答えがわかるシステムになっています。でも、今でも本の中や広告の中では表立って情報を公開していることは少なそうに思います。つまり、知りたい願望のある人には行動すれば情報が提供されるけれど、知りたいけど調べるのが億劫で答えだけが欲しいタイプの人たちはいつまでも情報が手に入らず知識が増えない、あるいは誰かがやってくれるのを待つ、という情報格差が生じる世の中になってしまいました。
だから、みなさんも、調べる、を日課になさってください。調べることは良いことばかりです。
でも、エゴサはおすすめしません。
私はエゴサはしません。
しても良い気分にはならないことの方が多いし、いつもハッピーでいたいので、エゴサはしません。
それこそ時間の無駄です。
さて、
私は元々この供給者側の人間ですから、内部事情はどの業界でも同じような気がします。だから、メーカーは、求められない限り自分の首を絞めかねない情報の提供は行わないことは仕方がないことなのだと理解していますし、それで当たり前なのだとお伝えしたいです。秘伝のタレと同じです。
それでも、今は消費者側で発言できるようになりましたので、少し自分なりにあがいてみようと、少ない情報を頼りに電卓片手に本のリストの中に公開されている数値を書き出して、共通点を見出してみようとやってみたのです。
そして、それらの研究結果をご紹介してみました。
それが2本目の動画となります。
でも、それでもまだ最終的な答えを得ることは出来ませんでした。恐らく、とか、多分、とか、かな?という程度です。
なんでー?なんで私が欲しい答えの手がかりがどこにもないわけー?多分パピーさんは分かってるよね?表を見せてくれないだけで。違うかな?
続いて。
もうこうなると、最後まで止まらないのが私のサガ。
そもそも、日本のサイズ表記と海外のサイズ表記は連動していなければおかしいんじゃないの?って思い始めたのです。
だって、日本は戦争に負けたし。
戦後の本には、グラムではなくオンスで表記されていたし。
でも、これは毛糸業界の話ではなく、政治や歴史の話になります。
あんまり日本を客観視したくはないけど、やってみますか。
政治的にイエスマンでならなくなった日本。
海外から渡って来た編み物文化。
安くで大量に売られている毛糸はほぼ外国産。
この状況下で、日本独自のサイズ設定を行うことは出来るでしょうか?
近年の編み物人口の低下は80年代と比べたら一目瞭然。やはり編み物はバブル時代の産物だったのかもしれません。きっと今でも編み物をしている方はその世代の方が中心ではないでしょうか?
私の時代、手編みのセーターは男性から重いと言われていたので、誰も、周りも編みませんでした。
編み物は、子供時代に流行っていた、という記憶です。
それから、満足のいく物を編みたくても、材料が高いので、普通の主婦の趣味にはなりにくいと思いました。道具も良いものは高いですし。
はっきり言って、私もカシミアとかアルパカやメリノウールで編みたいです。でも、お値段を見たら、趣味の範疇を超えてます。
今、良い素材を惜しげもなく使って編み物を楽しんでらっしゃるのは、オイルマネーで潤ってる国々の方々やお金持ちマダムくらいなものでしょう。
私は、手軽に安い材料でも楽しく編み物できるという楽しみ方を、アメリカ人に教えてもらえたので編み物の世界に入ることができた一般主婦です。
毛糸にしても、海外の生産工場の規模が大きすぎて、とても日本が独自基準で毛糸サイズを構成するのは無理な話だと思うのです。
だって、買ってくれる人が少ないのだから。
見ていますと、一般的な毛糸の殆どが輸入品ですよね。
お休みの日、毛糸売り場にいるのが私だけで良いのでしょうか?平日ならともかく。そして、年々、売り場が小さくなって来ています。前はもっとたくさん種類があったはずなのに。
だから、編み物における日本の国力がどの程度なのか、歴史や政治から見ると、誰でも冷静に把握できると思います。
その結果、日本の毛糸は海外に準拠しているはずである、という認識に至ったのです。
さて、方向性が決まりました。
ようやくですね。
長かったー。
ごめんねー。
ということで、欧米圏のデータを元に資料を探し回って最終的なグローバルスタンダード(世界基準)を見つけるための調査を行うことにしました。
私の予想が正しければ、日本のサイズ表記は海外と連動しているはず。
そもそも、各メーカーがはっきりと表示しないサイズに関する明確な基準は世界基準として存在するのでしょうか?
さて、私の冒険の結末は?
詳しくはこちらをご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
この動画の中でご紹介しているチャートは本来私も秘密にしておきたいくらい大切なデータが詰まっています。
もしかすると毛糸メーカーさんや出版社さんは、このデータの公表はあまりうれしくもないかもしれない。
だって、答えがわかったら、古い本でも今の毛糸で編めてしまいます。
わざわざ高いメーカーの毛糸をを買わなくてもセールの糸でも代用できてしまいます。
そしたら、今まで何十年も同じようなデザインを違う毛糸で紹介して来た本や毛糸は売れなくなったりするかも。
また、今後は投資しても資本が回収できにくくなるかもしれませんし、安い海外の工場直売の毛糸に、ただでさえ小さな日本のマーケットも奪われるかもしれません。
いや、もうそうなっているのかも、Amazonのせいで。
私たち消費者は安く良いものが買えて、賢くデータを活用できれば御の字ですけど、提供者はやはり自社を守りたいのが当然だと思います。
というわけで、ちょっとドキドキしながら公開したのですが。
みなさん、もしかして私とかなり温度差あります?
何で私がこんなに興奮してるのかあんまり伝わらないかしら?
じゃあ、動画では説明しきれなかったことを説明します。
最初に思ったのは、アメリカ圏では最初から毛糸はカテゴリ分けされていて、パターンには各毛糸の重さも長さも明確に記載されていることに慣れていた私には、日本の表記はとても曖昧で分かりにくいものでした。一貫性が無いというか。不親切にしか思えなかったんです。
さらに、棒針編みを研究する際に、日本の針のサイズがかぎ針と直径が異なっていたので、それも不親切だと思いました。いまだに覚えれません。ようやく10号が5ミリくらいって分かったところ。5.1ミリって何?
それで、
日本の棒針サイズについて、もう少し詳しく知ろうとして、編み物本を色々調べた時に、実は針サイズと毛糸サイズとの互換性が書いてある本もあることに気付いたんです。
ちょっと本によってマチマチだけど。
ところが、いざそのサイズで毛糸を調べようとすると、毛糸全てに記載されているわけではないんです。
じゃあ、長さで分類されているかというと、出て来る長さのデータにばらつきがあって明確性に欠けています。
さらに、毛糸屋さんは番手を使うけど、番手は編み物の本やパターンには出て来ません。
番手って何?ですよ。レース糸とかのこと?
これでは何が何だか分かりません。
いくら詳しくなろうとしても、明確な基準に欠けている以上、理解することは不可能です。
なんと日本の編み物社会は不親切な!
と勝手に思ってしまったんですよね。
これでは少なくとも私が困る!
って。
すみません、性格がお姫なもので。
でも、ジャジャ馬姫なので、文句は言うけど、ちゃんと自分で馬に乗ってどこまでも調べに行くので許してくださいませ。
それで、自分のためにチャートを作ることにしたんです。
私は常に世界基準で考えたいので、日本の表記を世界基準に分類することにしました。
でも、ここだけの話ですけど、
多分、それでほぼ間違いないと思います。
内緒の話、
呼び名こそ和名ですけど、その和名と長さを見比べたらやはり共通点が見受けられるんです。
そもそもね、
戦後の古い本では、
あいぼそ、あいぶと、の「あい」とは「間」が使われていました。
いつから「合」の字が使われるようになったのかは分かりません。
でも、昔は「間」だったのです。
つまり、あいだ、中間、です。
でも、中間だけが存在するのはおかしいですよね。
きっとこの「間」は「半」「0.5」のことだったのでしょう。
なんでも半分に割っていくのが好きなのがアメリカ人です。
ダブル、シングル、ハーフ、クォーター、、、
2倍、1倍、1/2、1/4、、、、
それの「ハーフ」が「間」だったと考えるととても分かりやすいのです。
それの細い方を「間細」、太い方を「間太」と呼び、それらは各々、シングルとダブルの関係だと考えるとストンと落ちます。
また、「間」に呼応するものがなければならないとすれば、それに当たる言葉は、「普通」という意味じゃないかしら?
ならば、なぜか「並太」と呼ばれるようになったのか、分かるような気がしませんか?
ご飯の量を普通で注文する時、「並」と言いますよね。
大中小の普通は「中」です。
本来なら、「並太」「並細」だったのでしょうが、いつのまにか「中細」と呼ばれるようになったのでしょう。
そして、また、これらの各々のサイズも、ダブルとシングルの関係なのです。
不思議でしょう?
このように考えて来て、改めて、アメリカのカテゴリに呼応した長さを見ておりますと、まさにその通りに日本でも長さが分類されているように見えます。事実、持っている毛糸のラベルはそうなっていました。
ということは、やはり、私の予想通り、日本の表記サイズは実は人知れずアメリカに準拠していた、ということがはっきりしたように思えたのです。
そう思いません?
さらに、
アメリカにおけるカテゴリが、日本の表記サイズと合致しているものの、その表記サイズはアメリカでは必ず記載されるのに対し、日本では省かれることが多いことも分かりました。
だけど、そのサイズこそ一番感覚としてしっくり来るのも確かなのです。
100グラム324メートルって言われてピンと来ますか?
それよりも、中細、と言われた方が、
あー、合細より太くて合太より細くて並太の半分くらいの細さ、
って感覚で分かりやすいですよね。
なのに、なんで日本はそれをやってくれないのかしら?
それさえしてくれたら、あー、あのカーディガン、この糸でいけるのかしら?だめかしら?一玉ずつ試しに買ってるうちに売り切れたらどうしよう。せっかくセールになったのに、なんて不安もなくなるのにね。
だから、それを基準化して、チャートを作ることが大切だと思ったんです。
それが、先ほどの動画でご紹介したチャートです。
もう大活躍。
何枚あっても困らない。
いろんなところに貼っておきたい。
全部の本に貼ってしまいたい笑笑
ということで、最後の動画では、先程もお伝えしました不親切な表記の毛糸や自作の引き揃え糸なども、明確にサイズ分類できれば、作品作りに応用しやすい、って思って、実際に計測しています。
それでは、このチャートを用いた実用的な使い方についてはこちらの動画をご覧くださいませ。
いかがでしたでしょうか?
もっと短くまとめたかったのですが、長くなってしまいました。
でも、これで皆さんも毛糸サイズや毛糸ラベルについて、読む前より数倍詳しくなったのではないでしょうか?
ぼんやりとしたイメージではなく、隅まで理解すると本当にスッキリします。
よろしければぜひご活用くださいませ。