かぎ針編み 円から始まるレース編みカーディガン





2月に撮影し始めて、約1か月ほどかかって仕上がった5つの動画。
その5本の動画でご紹介しているのは、
背中の丸い模様から編み始めるカーディガン。
円形独特のドレープと、フード代わりにも使える襟元が特長です。
こちらは、海外の無料パターンです。
こういう素敵なデザインを無料で公開してくださるので、
本当に勉強になります。

FREE ENGLISH PATTERN (英語のオリジナルパターンはこちら) 

※こちらを編んで販売することはできません。
  

さて、編むときに一番難しいのがやはり、材料選び。
素材、色、そして量、予算。
糸は太すぎてもダメ、細すぎてもダメ。
ちょうどいい太さ、それを見つけるのが重要。
編みにくいと途端にやる気が失せてしまうのも素材選びの難しさ。
今回は編み目ではなくて束で取るので、比較的糸を選びません。
それはラッキー。
色は、似合う色で、浮かない色。
今回のグリーンは割と挑戦的な色だから、グレーや同系色で浮かないように。
デザインとしては流行りのグラデーションが映えることもあって、
きっと色選びは楽しいと思います。
あとは、量と予算だけど、今回は透かし部分が多いので、比較的安く編めるはずです。


次に、ゲージの大切さ。
実はゲージを取るのが面倒で、って人は意外と多いと思います。
私もその一人でした。
だけど、ゲージを怠ると、サイズがうまく決まらないんです。
また、今回のデザインは四角形のスワッチのゲージと、
実際に編むデザインのゲージが少し違う気がしました。
四角形のスワッチである程度かぎ針サイズを特定したら、
実際に少し作品を編んでみましょう。
最初の計測ポイントでどの程度ずれが生じるか確認します。
ここで大切なのは、四角形のスワッチを忘れて、実際の計測ポイントを重視すること。
この計測ポイントが大切なんです。
計測ポイントの誤差から、再度かぎ針サイズを調整します。
さらに、計測ポイントの面積と出来上がりの面積を比較して、
おおよその毛糸の必要量を算出します。
そこで記載の毛糸量と必要量の差を比べます。
そして保険として多い方の毛糸を準備します。
これがいつも買える定番の糸なら問題ありませんが、
限定物などで数量に限りがある場合は、少し余裕を持って準備しなければなりません。
それが最近ちょっと苦手になりつつあります。
いつも手に入る糸、って言うのは実はとても大切だと私は思います。
だけど、そういう糸って結構高いことが多くて、、、。
難しいところですよね。

さあ、じゃあ準備が出来たら編んでみましょう。
ゲージで練習しているのでとっかかりは無くなってると思います。
少し自信もできたころじゃないかしら。

次に、洋服の難しさって何かって言うと、サイズの問題だと思うんです。
サイズって、一人一人違うから、正解がない。
そんな時に大切なのは、いつも話してると思いますけど、試着の重要性。
私はとにかく編みながら何度も何度も試着します。
特に海外パターンの難しいところは、海外のサイズは日本サイズと異なってるところ。
おおむね大きめに作られてますし、上着丈は短め、袖は長め、肩幅広め。ボトムスは股上浅め、股下長め、、、。 
だから、試着が必要なわけでして。
1枚目は練習って割り切れる人は、とにかく編んで感覚をつかむのも一つだと思います。
いやいや、糸良いの買っちゃったから、って人は、何度もほどいても良いので、納得いくように編んでほしいです。

海外パターン、日本語に翻訳してるだけでしょ?って思われるかもしれませんが、
いえいえ、それだけで編めたら苦労はしません、、、
日本語の編み物本は編み図重視でほとんど文字説明がありません。
それはそれで、ん???となるときもありますけど、
海外のパターンは、そもそも編み図が存在しないことも多くて、
さらには、結果だけが書かれていて手順がスキップされている場合も多々あります。
特に、今回。
編み図があれば、増し目ポイントは一応目で確認できますが、
その図には書かれていない本来の規則性を見つけ出すのは割と難しい。
文字説明だと、計算がこちらに任されていて、その計算方法が書かれていないので、
その計算で正しいのかどうかも分からないときがあります。
何通りもパターンが考えられるときは迷っちゃう。
また、書かれている内容の解釈の仕方によっては編みあがりが変わってくる、という問題があります。
また、割り切れない数字が提示されていると、割り切りたい文化の日本人としては、
えーーーーーーってなってしまうんです。
良く言えばアバウト、悪く言うと手抜き、なパターンが多く存在します。
ただ、こういう割り切れない点を重視するのも、仕上がりありきのデザインで
人々を魅了する文化の貢献につながっているとも思えますし、
割り切れるから綺麗な作品になるかどうかとはまた別問題だとも思うんです。
それはステラさんの作品を編んでるときにも抱いた感想と同じで、
ステラさんが、調整するために時々増し目しないでね、って話してた時には、
段数と数が合わなくなってしまう~~~~~~、と落ち着かない気持ちになったものですが、数よりも形よ、という当たり前の感覚を忘れていることに気づかされたりして。
翻訳ってそういう考え方や物の捉え方の違いまで知ることが出来るので、
言語を学ぶというのは、視野が広がる、とも言えます。 

さて、そんなこんなで、てんやわんや、必死で説明していた計算よりもっと簡単にきれいに仕上がる計算式をあとから思いついて、字幕訂正で切り抜けた、ってところも含めて、
私なりに最善と思える解釈で編みながら説明してみました。
とにかく、マーカーが良い仕事をしてくれるので、マーカーが無い方はペーペークリップ、安全ピン、毛糸などを使って、印を入れてください。
きっと何枚か編んでたら、もっと簡単にいい方法を思いつくかもしれませんが、
とりあえず初回はこんな感じかな、というラフな動画となっております。
よろしければ、可愛いデザインなので、これからの季節にお役立ていただければと思います。
ぜひ編んでみてくださいませ。




レースカーディガン① 
材料やゲージの取り方、編み始めから計測ポイントまで説明しました。
計測ポイントでサイズを合わせることが全体の感覚をつかむことなので、
結構重要な回です。


レースカーディガン② 
さて、最初の難関、アームホールです。
アームホールは、少し上部をあけるのでいびつな形になります。
アームホールを作った後の増し目が少し難しいかもしれません。
アームホールができたら、袖を通して試着してください。
脇繰りがわりとタイトなデザインです(写真参照)。
袖を通すのがきついな、と思ったら、アームホールを緩めに編みなおし、
それでもだめなら、ためらわずワンサイズアップしてください。
ただ、緩くはないけど通るよ、って方は、シルエットが大切なデザインなので、
タイトなシルエットをお楽しみください。


レースカーディガン③ 
さて、ここからは単純作業に変わります。
唯一の単純作業時間ともいえますので、楽しみながら編んでください。
規定サイズまで編んだら、試着して、前部分は足りているか、
長さは足りているか、確認しましょう。
まだここは変則的な増し目が出てきませんので、
サイズをミックスするならここで合わせてください。
また、試着して、これ以上長さが必要ない場合は、
次の回の裾部分の延長はスキップしてもらって構いません。


レースカーディガン④ 
さて、ここが今回一番難しい難関です。
(アームホールって言ってましたけど、間違い。)
ここは、シルエットを左右するところなので、出来たら編んでほしいですが、
難しすぎる、と思われたらスキップしてくださっても構いません。
ただ、最後の縁飾りは必要なので、そこは編んでください。
円形に編んできたカーディガンの裾に長さを足して、
エレガントなデザインに変えます。
増し目ポイントは下の方に来た方が綺麗なので、
字幕訂正している計算方式で増し目してくださいね。
これ、実は仕上がりがプロフェッショナルになるかどうかの大切なところで、
ここを手抜きするとやぼったくなってしまうと思うんです。
だから、一応1枚目は私は必ずデザイン通りに編むことにしてます。
そして、編んでみて、必要なかったな、って思う時は手順として省きます。
また、袖は必要ないかな、って方は、最後の回でご紹介する方法で、
脇繰りを補強してもらえたら、ジレとして楽しんでもらえます。


レースカーディガン⑤ 
最後の難関は袖です。
でも、この袖はそれほど難しくないと思います。
 袖はとにかくタイトなので緩め緩めで編みました。
減らし目の数は、パターン通りでなくても構いません。
試着しながら、もう減らし目は必要ないって思われたら減らさなくて大丈夫。
皆さんも袖を通しながらテンションを確認しつつ編んでください。
最初にサイズアップされている方は、多分大丈夫。
既定の長さは七分丈です。
私は素材がモヘアだったので長袖にしてみました。
また、パターンには書かれていなかった袖口の補強を最後に入れました。
これはお勧めです。
ジレにする場合も、脇繰りにこの補強を入れてみてください。
さあ、出来上がりです。
早速羽織ってお出かけしたいところですが、、、
お出かけはしばらく自粛ですね、、、、
やっぱりトイレットペーパー、どこでも在庫がありませんねえ、、、