【編み物】大人セレブなトップス編み始めました




みなさん、こんにちは♪
スザンナのブログへようこそいらっしゃいませ♪

本筋の編み物に関するお話です。

私が海外の資料や動画で編み物を覚えたことや今でも研鑽を続けていることをいろんなところでお話してますので、知ってるー、という方もいらっしゃるかもしれません。

はい、そうなんです。
日本の本は編み図を書くときの記号とか、編み目の呼び名を確認するときに参考にしていますが、それ以外は基本的に海外の資料を使っています。

言語も英語だけにとらわれず、どんな言語のものでも暗号のように解読しながら学ばせていただいております。

ということで、まだまだ修行中の身ではございますので(恐らく一生修行で終わりそう)、海外パターンはたくさんいらっしゃる私の先生のひとりなんです。

さて、今日はそんな先生の中でも、ひときわセンスが良いものの、英語のネイティブでさえ匙を投げることの多い、ドロップスさんのパターンより、長年編みたかったアンサンブルを編んでみようと糸と針を持ったところから物語は始まります。

それでは始まり始まりー。

「アンサンブル」


大人セレブなトップス : 前編


糸を巻く女


昔々、あるところに編み物に心を奪われた女がおりました(私のことね)。

始めたばかりの頃、
まず糸がなければ始まらない、
でも下手くそだから安い糸じゃないともったいない、
ということで、ソーイングの頃からお世話になってる激安&膨大な在庫で有名な手芸のナカムラさんにて、女は糸を大量に求めました。

女は自然に恵まれた所で生まれ育ったことから、とりわけ自然素材を好んでおったので、かせで売られていた無漂白の綿糸や綿麻糸をカラフルなモヘアの毛糸やネップが可愛いウール糸と共に大量に買い求めました。

かせを触るのも巻き直すのも生まれて初めての女は、綺麗なケーキのような形に自分で巻き直した毛糸の玉を見て、あの側面が交差する模様に憧れ、どうしても糸巻き機が欲しくなります。

だって、手で巻いたら、形はいびつだし、上と下が平たくなってないので、積み上げたり、棚に並べたりできないんですもの。




でも、もう毛糸に3万円以上、その前に編んだ初めてのブランケットにも一万円以上かけていたので、それ以上お金をかけて良いのか悩みました。



それでも欲しい気持ちがおさまらず、幾日も幾日も糸巻き機で毛糸の巻き方を紹介する海外の動画ばかりを見続け、そこで使われている赤と白の糸巻き機の外箱のデザインを覚えて、ふらふらと女はAmazonにやって来ました。

「いくらくらいするんだろう。なんて名前なんだろう」

と女はやみくもに検索し始め、
紆余曲折の末、
ようやく探していた糸巻き機を見つけたのです。

「あ、やすっ。
しかもタイムセールスやってる。」

女はその晩はカートに入れるだけにしておこうと決めていたのに、
あと6時間で終わるタイムセールスにつられ、
楽しそうに糸を巻いていた人たちの姿が脳裏をよぎり、
色とりどりの毛糸が全部同じ大きさで巻かれて部屋のアクセントのように積み上げられていた美しいインテリアが忘れられず、
思わず気付いたら、ポチッとしておりました。

「これからずっと使うものだし、良いよね」

と自分に言い聞かせ、届いた日より今日に至るまで、女はその糸巻き機を修理したり改造しながら使っているのです。




かせくり機の代わりになるもの


糸巻き機は届いたものの、かせを巻いたこともない女はどうやって巻けば時間短縮になるのか悩みます。

最初は下敷きにある程度巻き直して、それから巻いてみたり、色々したものの、ひとかせ巻くのに2時間以上かかる始末。
そもそも糸巻き機ですら、ノロノロ運転に飽きているようにさえ思え、イライラが募ります。
そこで女は時間の空いた家族を部屋に呼び出し、両手にかせを持たせて、自分は糸を巻こうとします。
ところが、スピードは合わず、糸は絡まり、慣れないせいで糸巻き機はスタックし、女はそれまでにすでに何時間も糸と格闘していたこともあり、とうとう家族喧嘩が勃発しました。

怒った家族はバーン!と部屋を出て行き、残された女も不愉快極まりなく、ただ糸だけが、寂しそうに佇んでいるのでした。



もう家族には二度と頼むもんか!
と思いつつ、
なんとか2本の腕の代わりになるものを見つけない限り、段ボール箱で届いた全てのかせを巻くことはまるで永遠のように思われ、
女はため息混じりに、
普段ボーっと空を眺めるために部屋に置いていた椅子に腰をかけました。



背もたれにもたれて、流れゆく雲を見ながら、物思いに耽っていると、ふと、その背もたれが自分を抱き抱えてくれているように感じたのです。

女は、ハッとして振り返り、背もたれを眺めます。

そこには、ちょうど良い幅の背もたれが、下から2本の腕を出し、クッション性のある面を此方に向けていました。

「まあ、背もたれってまるで人のよう」

女は背もたれに顔を埋め、静かに

「ありがとう」

と言いました。

途中で投げ出されたかせを取り上げ、背もたれにかけると、サイズは合いませんでしたが、何とかホールドでき、女は気を取り直して巻き始めました。

これで全て解決か?

そう思われたのですが、背もたれはやはり背もたれでした。
命を吹き込まれていない背もたれは女の意志を汲むこともなく、ただそこに鎮座するのみ。



女は一巻きするたびに椅子に戻り糸を外し、また糸巻き機に戻り糸を巻き、を何百回も繰り返して、ようやくひとかせ巻くことが出来たのです。

実際のシーンはこちらの動画。





その頃にはカラスも鳴き始め、夕闇がせまってました。

女は失った一日や、家族との喧嘩を受け入れるにはあまりに成果のない結果に遣る瀬無い気持ちになりました。

「こんなことなら、かせくり機もあの時買えばよかった。セットなら安かったのに。」

女はトボトボと居間に戻ると、家族には黙って、1200円のかせくり機をAmazonで買い求めました。

翌日、届いたばかりのかせくり機を机に設置して、反対側に糸巻き機を取り付け、かせを引っ掛けて、絡まり防止の糸を外し、糸を巻き始めてみました。

すると、どうでしょう。
かせくり機は、糸巻き機を動かすだけで勝手に回るではありませんか。
しかも、たった数分で毛糸のケーキが2つ。

女は嬉しくなり、昨日から冷戦を続けていた家族をまた部屋に呼び出し、買ったばかりのかせくり機を見せました。

ここのところ、何万円も毛糸にお金を注ぎ込んでいたことを知る家族は、女がまた編み物にまつわる買い物をしたことに少し腹を立てているようでしたが、

「見て!」

と女が糸巻き機を回し、それに反応して回るかせくり機を見ると目の色を変えました。

さらに、たった2分程度でひとつ目のケーキが出来上がると、ずっと閉ざしていた口を開き、

「これ、幾らしたん?」

と尋ねました。

「プライムで1200円」

と答えると、

「1200円で喧嘩しないで済んで、数分で終わるなら、さっさと買えば良かった」

と言ってほっとしたように椅子に倒れ込みました。

以来、このかせくり機と糸巻き機は助手二人分の活躍で女の仕事を陰ながら支える大切なパートナーになりました。

女の糸巻き機とかせくり機の絶妙なコンビネーションが見たい方はこちらの動画で公開しております。



体の線が崩れ始めた女


女は元々常にお腹が空いており、

「お腹すいたなー」

が口癖になるほど、食べ物が恋しいことで有名です。

特に親元を離れてからは、食べ物は自分で作らないと誰も作ってくれないので、ついつい仕事でもなんでもやり過ぎるほど熱中してしまう女は、空腹に苛まれる頃にはもう体力も残ってないことがほとんどです。

独身ならば、そうなったら、もう寝て忘れよう、と寝てしまえば問題無かったのですが、独り身でなくなると、自分が作らないと家族も飢えてしまいます。

それで、重い腰を上げて作るのですが、女は料理もやり始めるとこだわる性格で、作るなら美味しいものが食べたくなり。




そんなこんなで、家族に美味しいと言われるのが喜びともなり、そんな女が作る料理が自分の味覚に合わないわけもなく、自分で作って自分で笑顔になる程に食事が美味しくなってしまったのです。




女は家にいるだけなのに結構食べるので、どんどん体の線が崩れ始め、昔着ていた服が入らなくなり、鏡で体を見るのが嫌になり。

それでも、女が余裕ぶっこいてたのは、海外の人はもっと大きい、という自堕落な理由でした。

また、最近のファッション傾向が、シルエットがゆるいデザインのこともあり、夏になるまであまり気にしていなかったせいでもあります。

そもそも、編み物を始めてから家にいる時間が長くなって、服はほとんど買わなくなり、欲しいものは自分で作ったり編んでしまえるようになったので、女にとって海外パターンは海外から取り寄せる通信販売のカタログのようなもの。

ワクワクしては、パターンをチェックし、編んでみたいものをリストアップしていた中に今回のアンサンブルがありました。

特に、手持ちの糸と似た色で編めるところや、女らしいフォルムに心を魅了されたことと、ネット編みの涼感のおかげで引き立つ長袖のカーディガンは年齢を選ばないデザイン。



随分前のデザインですが未だに人気があるようで、今年もドロップスさんには編みたい人からの質問が来てます。

英語の無料パターンはこちらよりダウンロードできます。

お盆の集まりや、夏の食事会など、改まった席でも浮かない落ち着きのある定番のデザインは、人種を問わず誰でも好きだろうし、何より女本人が一番好きな雰囲気の気品を感じるパターンだったのです。

ところが、編み始めてみると意外な所で足を引っ張るものがいて。

それは、女の体型。

美味しい、美味しいと、なんでも工夫して食べていたツケがここに来て重くのしかかります。

特に最近はおやつにも目覚め、家事の合間にアイスコーヒーと共に食べるかりんとうの美味さは格別。コーヒーが何倍もいただけます、などと調子こいてたせいもあり。




海外の人は大きいはずなのに。何故かゲージ通りに編んでもキツイ。キツくて脱着も困難。

これはちょっと考え直さなければ、と女は決意したのです。

ネイティブでも嫌がるパターン


さらにもう一つ足を引っ張るのが、そもそものパターンで。

ドロップスさんと言えば、英語がネイティブで編み物を数十年やってるという方でさえ、

「あそこのは、とにかく文章を理解するのが難しい。
どんなに難しいパターンも私なら簡単に説明しますよ、なんて自信満々の動画配信者もたくさんいるけど、そんなの嘘よ。
できる人がいくら『こうやったら簡単』、なんて言っても、できない人にとったら、『それがどうしてそうなるのか、今結局何を言ったのか、それが分からないんだってば!』ってなることを知らないのよ。
あそこのは特にそうなるんだから。」

と女に愚痴るほど、難解パターンとして有名で。

女は元々人に教えるのが仕事だったこともあって、難しい文章を分かりやすく説明し直すことにかけては労力を厭わないタイプ。

だから、写真を見てある程度構成を理解していたので、後は説明通り編んだら良いのだろうとたかを括っていた所、思わぬところで落とし穴に落とされたのでした。

カーディガンを半分以上編んだ所で、突然目の前が真っ暗になったのです。最初から編み目の数を変えていたことや編み方を変えていたのも災いしました。

「なにこれ、どういうこと?全然分からない」

女は困り果てました。

にっちもさっちも行かなくなって、突然頓挫し、目の前には解くのも厄介な残骸が。

それでも道はある


とりあえず、練習のために、パターンでは後半に書いてあるトップスから編んでみることに。

ところがネックはやはり、体の線。

そのままではちょっと着こなす自信がない女は、新しくデザインし直すことにしたのです。

シンプルで機能的なデザインが多いドロップスさんのシェイプは、写真で確認すると、胸の切り替えが少し上過ぎて、そのままだと下着が見えてしまう高さなのも気になった女は、形を大々的に変えて、女らしい気品のあるセレブなトップスに変更することにしました。

さて、そんな女の企みはうまく行くのか果たして失敗に終わるのか?

後半に続く

ということで、新作動画の制作秘話を物語風に書いてみました。

なんか自分を女と呼ぶことで、不思議にも自分を冷静に客観視できるのが面白くなって、予定より長い話になってしまいました。

新作動画はこちら



最後までお読みいただきありがとうございました。
また良かったら続きを楽しみにお待ちください。

フォローお待ちしております。




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